或るヒスイ拾い人のブログ

ヒスイ拾い雑感。採集した糸魚川ヒスイの紹介。

ヒスイ拾い考 補1

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採集日  2022年5月上旬

採集場所 須沢海岸

質量   43g

 こちらのヒスイは、砂浜と化していた海岸線を歩いていたときに、打ち上がっていたところを拾いました。

 一見、白と緑のヒスイに見えますが、白い部分に光を当てると、薄い青色に透過しますので、白ではなく、青色のヒスイと思われます。緑色の部分は、質感から、ヒスイではないように思われます。

 ところで、こちらのヒスイには、いわゆる「海焼け」と呼ばれる錆が強くこびりついています。これを風合いとして好む意見もありますが、私は、錆を落とした方が、より綺麗になると考え、普段、水晶のクリーニングに用いているシュウ酸で錆を落とせないかと考えてみました。

 勿論、ヒスイは水晶とは異なりますので、問題はないかと、インターネットで関連する記事を探してみましたが、目ぼしい記事は見当たりませんでした。残念ながら、私自身、化学の知識はぼんやりとした中学高校レベルしか持ち合わせておりません。

 そこで、物は試しと、思いきってやってみることにしました。

 先ず、犠牲を最小限にするために、小さめの錆びつき白ヒスイを、2時間程、シュウ酸の飽和水溶液に漬けてみたところ、思ったよりも成果を得られました。

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 そこで、本題のヒスイの錆落としに挑戦してみることにしました。朝仕事に出掛ける前にシュウ酸に浸し、仕事帰りに様子を伺ってみたところ、見事に錆が落ちていました。しかし、残念なことに、処理前と比べると、不自然に白くカサカサな肌質となり、明らかにヒスイ特有の透明な質感が失われてしまっていました。

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 これは、失敗と言わざるを得ません。シュウ酸がヒスイ自体と反応したか、もしくはヒスイに含まれる別の鉱物と反応したのでしょうか、原因は分かりません。

 いずれにしろ、私の結論としましては、ヒスイの「海焼け」については、これを風合いとして肯定するのが良さそうです。